伝統芸能を携えて全国各地を巡る旅日記

伝統芸能を上演する民族歌舞団「花こま」の活動をお知らせいたします!

人が持つ観念というもの!〔兵庫県姫路市〕

こちらの保育園では、新年行事の一つとして私達を取り上げて下さっておられます。遥か昔より、区切り、節として、節目節目に重きを置いて、芸能、行事に託して、疫病の無い、健全な生活を送る事を願い続けて来ました。そこに、人間が持つ観念という面白さを感じます。暦、カレンダーが無ければ今は一体いつなのか分からないのに、昼夜の長さが同じ日を見つけてしまい、それを基準に、昼が長くなったり、夜が長くなったり、星座の位置が変わったり、花が咲いたり、気温が上がったり下がったりと言った自然の移ろいが私達人間に影響を与え、そう認識していったのでしょう。今では誰も文句なく受け入れています。

演目:八丈島太鼓、もちつきばやし×2臼

 

新しい伝統芸能の役割!〔兵庫県尼崎市〕

昨今、子ども達は子ども達の文化、大人は大人の文化が深化し賑わいを見せています。そんな中、新たな要求も生まれています。子ども達と大人が一緒になって楽しむ文化空間の創造です。地域にあるセンターが主催した、地元の皆さんと保育園児との交流企画です。保育園に行っても、小学校に行っても、公民館に行ってもそういう行事がとみに増えてきています。以前に比べ、移住が自由に行われる様になったからでしょうか?同じ所にずっと住み続け、親子3代が一緒に居住するといった生活スタイルから大きく変わりました。核家族と言われながら、異世代と交流したいという要求が、今私達の芸能を求めておられます。

演目:八丈島太鼓、南京玉すだれ、寿獅子、もちつきばやし

 

これが芸能集団の日常!〔兵庫県尼崎市〕

この間、コロナだと翻弄され、インフルエンザだと翻弄され、取り付く島もありませんでした。イノベーションだとかソリューションなどと耳にはしますが、こればかりは従うしかありません。私達は、それらをかいくぐり、お客さんの目の前で上演し、笑ったり、泣いたり、怖がったり、楽しんでもらいながら、先輩から受け継いだ芸能を私自分も反映させながらお伝えしています。コロナ第10波がささやかれる昨今、何とか無事お届けする事ができました。芸能史には記録されないでしょうが、今日も無事に1ページを刻む事ができました。

演目:八丈島太鼓、南京玉すだれ、寿獅子、もちつきばやし

 

伝統芸能の不思議!?〔兵庫県西脇市〕

近隣の地域でありながら、これまであまり伺う事のなかった保育園に伺いました。これもきっと何かの御縁なのでしょう。座長のとっちゃん亡き後、「こまの会」の皆さんが入れ替わり花こまの応援に駆けつけて下さっています。この日も本業までの時間に「サリーちゃん」が琴を携えて参加して下さいました。地元姫路に伝わる「花田の子守唄」の演奏です。演目のどれを取ってみても、園児や先生にとって日常的に触れる事の無い音楽や芸能です。その上、遠い過去から伝わっている物なのですが、全然古臭くもなく、逆に新鮮な感動や高揚感、そして落ち着きさえも感じる物ばかります。確実に時代と共に失われて行っていますが、それでも無条件に何とか伝えようとしてしまう、そんな不思議さもあるものなのです。

演目:八丈島太鼓、南京玉すだれ、背中式車人形、琴「花田の子守歌」、寿獅子

 

雪舟の床の涙と、園児の床の涙!〔兵庫県姫路市〕

獅子で会場を回っていると、床に子ども達の涙が落ちているのを見つけました。床の涙から、思わず「雪舟」の逸話が頭をよぎるのでした。その昔、宝福寺に入った幼い日の「雪舟」が、絵ばかり好んで経を読もうとしないので、寺の僧は「雪舟」を仏堂の柱に縛りつけてしまいました。「雪舟」は涙を流し、床に落ちたその涙を足の親指に着け、床に鼠を描きました。そのあまりの見事さに感心し、とうとう絵を描くのを許されたというお話です。涙を流し泣き叫ぶ園児をよそに、園児が安心して噛んでもらえる様に、先生は我が子の様にしっかりと抱きかかえ、噛んでもらう順番をひたすら待つのでした。大人の思惑と子ども達の感情とが、幸せを求めて複雑に絡み合う、そんなひと時となる公演でした。

演目:寿獅子、もちつきばやし

 

真っすぐな優しさが「ガンバレ!」の声援に!〔和歌山県橋本市〕

市から民間委託された保育園に、他園の園長先生からのご紹介で、2014年に初めてお伺いしてから今までずっと、恒例の催し物としてお呼び頂いています。ここ何年か、コロナ感染症影の影響で、祖父母の皆さんをお呼びできませんでしたが、3年振りに参加して頂ける様になりました。何といっても、獅子舞の時の園児達の応援は凄かったです!獅子が、泣いている年少さんの頭を噛み始めると、出番の済んだ園児達が一斉に声を揃えて、「ガンバレ!ガンバレ!...」の声援が沸き起こりました!それどころか、祖父母の皆さんの番になっても「ガンバレ!ガンバレ!...」の声援が消える事はありませんでした。これまで獅子舞を演じて来て初めての光景で、園児達の真っすぐな優しさを感じた公演でした。

演目:八丈島太鼓、南京玉すだれ、寿獅子、もちつきばやし

 

この子にも幸せを授けたい!〔兵庫県宝塚市〕

新年恒例の保育園に伺いました。相変わらず園児の皆さんは、元気で、素直で、一生懸命です。先生方は「花こま」の来園を心待ちにして下さり、荷物の搬入搬出を快くお手伝いして下さいました。そういった事が園児達にも伝わるのか、安心して楽しんでいる様子が伺えます。獅子が園児達の頭を噛みにまわりますが、怖がって泣いてしまい、到底獅子に頭を噛んで貰えそうもない園児にも、何とか頭を噛んでもらおうと、若い保育士さん達は獅子の前に園児を抱っこして、連れて出て来てくれました。昔から培ってきた、より良い生活を祈願するという風習が、血のつながりというか、心の中で受け継がれているのかなあと思う素敵な場面でした。

演目:八丈島太鼓、南京玉すだれ、寿獅子、もちつきばやし

 

感謝感激雨あられ!〔兵庫県宝塚市〕

大きな宮太鼓の演奏なのに、何故か子ども達の笑いが起こります!太鼓だけでなく唄が入っているからでしょうか?それがどうも目いっぱい楽しんでくれている様子なのです!餅を搗く時の子ども達の表情も豊かです!自分の番が回って来て、いよいよ臼の所に向かう時の何とも言えない、まるでこれからジェットコースターにでも乗ろうかという顔です!餅を搗き終えた後の、何とも満足げなあの表情も忘れられません!お友達のいる席に帰ると、思わす笑顔で感想会が行われていました!園の先生方にも感謝です!公演会場が2階にも拘わらず、公演前、公演後には荷物の運搬をすべて手伝って下さいました!「感謝感激」とはこの事を言うのでしょうか!

演目:八丈島太鼓、南京玉すだれ、寿獅子、もちつきばやし

 

園長先生が獅子舞を呼ぶ理由〔兵庫県福崎町〕

新年の年頭行事で伺いました!新年のハイタッチで、可愛いらしい車人形との触れ合いを楽しみ、「お正月に皆さん何を食べましたか?」という質問に「お餅!」と声が上がり、「♪もう幾つ寝るとお正月」を「♪お餅を食べたお正月」という風に替え歌にして、家族と過ごしたお正月を思い出して楽しみました。最後は、待ちに待った「獅子舞」の登場です!泣き叫ぶ園児、お母さんや先生に必死にしがみつき顔を埋める園児、そんなのそっちのけで逃げ惑う園児。「獅子舞で泣く園児がいて本当に良かったです!」園長先生は納得の様子です。「こうでなければ来て頂く意味がありません」園のあちらこちらに「しめ縄」が飾ってありました。園児達の中にある伝統的な感性を大切にしてあげているのが良く分かりました。公演後、片付けをしていると、女の子がこっそり近づいて来て、「ありがとう!バイバイ!」と言ってくれました。

演目:背柱式車人形、三味線替え歌「お正月」、寿獅子

 

福が舞い込む「新年会」!〔兵庫県神戸市〕

一見無表情に見えた利用者の皆さんの顔が、演目が始まると、みるみるうちに笑顔に変わっていくのを目の当たりにしました。伝統芸能の力があるから皆さんの心の中に入っていけたのでしょう!一緒に伺った「こまの会」の仲間は、「すごい事をしているのを目の当たりにできて嬉しかった!福をもらいました!」「伝統の楽器の音色や動き、色などに日本人の持っているものが、皆さんの中に入って行っているのではないか」と分析されます。獅子の力は大きかった!職員の方も口を揃えて「今まで見た事がない利用者皆さんの笑顔が見れました!」この日の笑顔の写真が、ご家族の皆さんの元に会報として届けられます。そんな福をも、もたらした「新年会」となりました。

演目:背柱式車人形「花笠踊り」、南京玉すだれおてもやん(こまの会)、寿獅子