伝統芸能を携えて全国各地を巡る旅日記

伝統芸能を上演する民族歌舞団「花こま」の活動をお知らせいたします!

集まれ!人形愛好家!〔兵庫県姫路市〕

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今回は、皆さんを「中学時代」へと誘いたいと思います。何やら三角形の二つの板に挟まれて、丸っこい物体が乗っています。実は、人形の「首」です。人形の「かしら」に対して「首」はこのような角度で納まっています。こういう道具がないと、垂直に「首」に穴を空けて、心棒を通す事ができません。今、「首」の上面が床面と平行になるように三角形の木材で固定しました。こうすると、ボール盤で穴を空ける時、手元がぶれずに済みます。また、今度上下を入れ替えてみて、上になった「下面」も床面に対して平行となるんです。「そんなバカな!」という声が聞こえてきそうです。理屈はこうです。

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条件として、「あ」と「い」は平行です。また、「ア」と「イ」も並行です。「首」上面の左部分の図をご覧頂いて、∠x+∠a+∠y=180度である事が分かります。下面には「a」という角度の付いた木材の上に「x」という角度のついた「首」が乗っています。従って、「a」という角度のついた安定した木材さえ準備できれば、垂直に「首」にキリで穴を空ける事ができます。そして、「上面」と「下面」を入れ替えても、∠x+∠a+∠y=180度でした。また、平行四辺形の隣り合う角度を足すと180度という理屈を利用して、∠y+(∠x+∠a)も、∠x+(∠y+∠a)も、同じ180度ですから、入れ替わったとしても「上面」と「下面」は、やはり平行となる理屈です。「それでも嘘だ!」という方のために、実験をやってみました。

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色紙を使って実際にやってみました。「a」という角度のついた色紙の上に「x」という角度のついた「首」を乗せています。「y」という角度のついた上面が平行になる様にしています。上下を入れ替えてみます。

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あら不思議、やはり「数学」は嘘を付きません!数学の苦手な私には感覚的には未だに納得できなのではありますが、「数学」の理屈通りに「床面」と「x」の角度のついた「面」とは平行になっています。この原理を利用して、今後安定して垂直にキリで穴を空けたいと思っています。

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ひっ繰り返して置いてみると、やはり上の面は「床面」と平行なのが分かります。