今回は「かしら」の首の下に開ける穴についてご紹介します。
左の木製物が人形の「首」です。前回ご紹介しました車人形や文楽の胴串(どぐし)に当たります部分が右手のアルミのパイプとなります。パイプが挿入できるように穴を開け、パイプを差し込んでみたところです。
先ほどの「首」を穴を空けた反対側です。少しでも軽くするために、くり抜いてあります。細い穴が見えますが、この穴は竹ひごを通し、「かしら」と「首」を結合させるためのものです。
再度、胴串(どぐし)を挿入する穴をご覧頂きます。今回、「首」をある程度彫り出してから、この穴をボール盤で開けたものですから、どうしてもバイスでの固定が甘くなり穴を開ける時の加重に耐え切れず、ぶれて少し歪んでしまいました。「首」を彫り出す前の角材の状態のままだとバイスでの固定がしっかりしますので、今後はそうしたいと思っています。今回は補修します。「首」と胴串(どぐし)が適正に固定されないと「かしら」の動きがぶれて、人形遣いの意図しない動きが出てきますので、とても注意しないといけない部分でもあります。