伝統芸能を携えて全国各地を巡る旅日記

伝統芸能を上演する民族歌舞団「花こま」の活動をお知らせいたします!

集まれ!人形愛好家!〔兵庫県姫路市〕

昨日、福島県沖を震源とした大きな地震が起こり、毎年、福島県に慰問公演に通い続けて来た思いもあり、とても心配しております。「コロナ禍」さえなければ、すぐにでも駆けつけるところなのですが、果たして今年、福島県に伺えるかどうか、未だ先行きが見えず、悶々とした日々を送っています。早く「コロナ禍」が収束し、福島の皆さまとお会い出来る日を願っています。

さて、背柱型車人形「人形製作過程」をこれまで紹介して来たのですが、「1回分の内容が多過ぎて見ずらい」との感想を頂きました。そこで、1回分を短くした「不定期連載シリーズ」として、これからお届けしたいと思いますので、これからも宜しくお願い致します。

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上記の写真は、「かしら」の首の下に装着する部品となります。分かり辛いですが、長さと太さの違う3種類のパイプを細いパイプから順番に差し込んで一つに組み立ててあります。黒い部品が2つありますが、この黒い部品も穴の大きさがそれぞれ違っていて、太さが違うそれぞれのパイプに収まるに構造となっています。「車人形」や「文楽」は、胴串(どぐし)と言って、人形遣いがこの部分を直接手で握って「かしら」を操るのですが、私達が操る背柱型(せちゅうがた)車人形は、この胴串部分は背柱に固定して操ります。

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この道具は「パイプカッター」です。最初、「金のこ」でアルミニュウムパイプを必要な長さに切断しました。ところが、どんなに気を付けてパイプと直角に真っ直ぐ切ろうとしても切断面が直角にならず、切断後のやすりでの修正作業に手間がかかってしましました。また、ある程度の強さでバイスで挟んで切る事になるのですが、そのためにパイプが微妙にへしゃがってしまします。そこで、パイプを切るならこのパイプカッターとなりました。わざわざ直角を作り出すために神経質にならずに済み、装着してこの工具をパイプに沿って回して行けば、いとも簡単に直角に切断できますし、切断面も綺麗に切れるという優れものです。

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こちらは、これから作ろうとしている「谷茶前」人形の女の子「かしら」と、先ほどの背柱に固定する車人形の「胴串」と言われる部品を「実寸図」の上に置いてみました。「実寸図」を元に完成姿を想像し、各パーツを作り出しては、本当に想像通りに仕上がるのかどうかを確認しながら進めて行っています。想像と製作を確認しながら進めていく事で、予測もしなかった色んな課題を発見する事ができます。