園の新年行事です。例の如く、園児全員が獅子舞の洗礼を受けるのですが、どうした訳か一人の男の子、素直に応じてくれません。泣き出し、引き留める先生の手を振りほどき、怖くて今にも逃げて行ってしまいそうです。先生のなだめあやす必死の応対に、何とか歯を食いしばって、獅子に頭を噛んで貰う決心がつき、やっとじっとしてくれました。それなのに、どういう訳かお獅子さん、他の園児よりも長い時間、彼の頭を噛み続けました。そして噛み終え、必死に耐え抜いた彼を、周りにいた先生方何人もが、歓声と共に彼を抱きしめてあげるのでした！演者ながら涙流れる、今日いち押し名シーンなのでした！
「心機一転」という言葉があります。「何かのきっかけで、急に気持ちが良い方に変わるさま」とあります。年の初めもせっかく新年を迎えたのだから、そうありたいと誰しも願うのは自然です。丁度、寒い頃に新年という節目を迎える訳ですから、何かしらうってつけのシーズンです。暦というものを持ち始めてから誕生したのでしょうか。何の因果か、節目節目に訪れる怖～い「獅子」や「鬼」は、先人が培ってきた遺産でもあります。そういう訳で、また今日も怖～い体験をして頂きました！
今日から「仕事はじめ」という会社は多いでしょう。新年という節目を景気よくスタートを切りたいという社長さんの気持ちが表れた今回の企画でした。社長さんの挨拶に続き、鏡割りが行われ、屋外に出て従業員皆さんによる「餅つき」が行われました。以前イベントで花こまを知っておられた従業員の方に声を掛けて頂きました。幹線道路に面した社屋ですので、道を行き交う通行人の方も物珍しらしそうに、太鼓、三味線によるもちつきばやしを横目で見ながら通行されていました。今時珍しい「仕事はじめ」行事を私達も体験させて頂き、本当にありがとうございました！
自由が利く方の片手で、膝を叩いて拍手して下さる方。手が不自由なので、顔をくしゃくしゃにして笑顔で反応して下さる方。利用しているお父さん、お母さんを見舞いに来られた家族の方。同僚の餅のつき方が可笑しくて、大笑いしている職員の方。「すごい迫力やったな！」と同僚と会話している職員の方。嬉しい事に会場の皆さんが私達の芸能で喜んで、笑顔で、楽しんで下さり何よりでした！中には「獅子が、怖い、怖い、」と半べそをかきながら見ておられた方に、思わず皆さんがクスクスと笑っておられたのも、とても印象的なのでした。
「見ごたえがある」時は、こちらも「やりがいがある」時です！デーサービス、ショートステイの皆さんが集まって「新年会」が行われました。獅子舞の一つ一つの動きに声が上がり、頭を噛んでまわった時、あまりの感動に涙を流しておられる姿に、こちらの胸が熱くなりました。餅つきに初挑戦する職員の方に、客席から声が掛り、不慣れながらも力をみなぎらせ、一生懸命搗いている姿が何とも見事でした！公演後、「皆さんから見ごたえがあった」と感想を頂き、担当責任者の方もとても喜んで下さいました。早速、来年の日程も決まり、今後の改善点の打ち合わせも終わりました。来年に向けて、早々とスタートを切る事ができました！
毎年の恒例となっている新年餅つき。中国獅子舞とセットで、商店街の新春初売りを盛り上げるイベントとなっています。お昼前が一番人通りが多い様で、初詣の帰りに商店街でお昼を食べようという事なのでしょう。子どもの頃の正月と言えば、３が日はお休みをするお店がたくさんあり、開いているのを探すのに苦労したものです。今では元旦から競争するように営業していて、一体いつが年末で、いつが元旦なのかほぼ区別がつきません。おかげで「おごそか」とか「厳粛」というものが、どこかへ吹っ飛んでしまった様です。
大勢のお客さんで賑わう新年初売りイベントに伺いました。今年は、子ども連れの客さんが特に多い様に感じました。どうしてでしょうかね？あ！そうか！昨年の消費税増税による影響で、遠出をやめ、近場で済まそうという算段なのでしょうか？そう指摘する方もおられます。そう言えば、福袋を両手で抱えている人なんて、確かに見かけませんでした。お金が一層入り用になる世情となりましたが、獅子に頭を噛んで貰ったり、行列を成してまで搗きたてのお餅を待っている皆さんの顔には悲壮感などなく、新しい年への希望、そして子ども達の成長に胸膨らませておられる期待で満ち溢れていました！
笑顔。笑顔。見る人、搗く人、どうしてこんなにも笑顔！優しい気持ちになると笑顔になれるのだろうか？面白いと感じると笑顔になれるのだろうか？何なんだろう。芸人が披露するより、見ている人が参加すると、会場全員が笑顔に！搗き上げたら搗き上げたで、出来立ての餅を貰おうと列を成し、餅の味でも想像しているのだろうか、もう顔がにやけている。お餅をゲットしたらしたで、何とも言えない安堵感と嬉しさがこみ上げた顔全体の筋肉の構成となっている！さっきまでの表情とは全然違う！どうも「笑顔」の理屈が分からない、よ～し！来年の課題にしよっと！
今回の公演を持って、２０１９年花こま最終公演となりました。「花こまブログ」ご講読、誠にありがとうございました。引き続き素直に、感じたままに、公演先のエピソードを紹介して参ります。皆様どうぞ、良いお年をお迎え下さい！そして、来年もどうぞよろしくお願い致します。
巷では、例の如く「インフルエンザ」の大流行です。ご多分に漏れず、こちらの施設でも介護居宅エリアで罹患が確認され、こちらでの公演は中止となりましたが、自立して生活をされているホールでの公演は通常通り行われました。中止となった介護居宅エリアからは元気な皆さんが駆けつけて下さり、溢れんばかりの会場となりました！その分、巻き起こる拍手も凄かったです！獅子舞が終わった後や、ひとりひとりが大杵で餅を搗き終えた後など、気持ちのこもった素晴らしい拍手に感動でした！「初めて見せて貰いました！ありがとうね！」と、公演後声を掛けて下さった老夫婦のあまりの仲睦まじさに、素敵な年末プレゼントを頂いた気分となりました！
これまで何年も公演を続けてきましたので、進行の段どりを理解して下さっているおかげで、スムーズに進める事ができました。また、皆さんの仲がとてもいいんです！そんな皆さんの中にいると、何とも優しい気持ちにさせて貰えます！それでも３６５日ずっと一緒に過ごすとなると、いくら仲が良くても、山あり谷ありだったんじゃなかったでしょうか！今年経験した嫌な事、嫌な思い出を、この行事を機に、きれいさっぱり忘れ去り、幸せで、豊かで、仲睦まじく、そして、いっぱいいっぱい良い事が訪れる新年を願って、今日搗きたての美味しいお餅を、しっかり頬張り噛みしめる皆さんなのでした！
