伝統芸能を携えて全国各地を巡る旅日記

伝統芸能を上演する民族歌舞団「花こま」の活動をお知らせいたします!

こまの会開講式で「新曲まんざい」を上演〔兵庫県姫路市〕

「新曲まんざい」。内容は、恋人のために大切にため込んだお金だけれども、目の前で買えずに困っている女性を放ってはおけないので、自分のあり金を全部上げてしまおうとする。その思いを知った彼女も着物を買えずに困っている彼にあり金を全部上げてしまおうとする、そんな優しいお互いの心を理解し合い、そして観客の皆さんに「萬歳」の寿ぎを申し上げるという目出度い作品となっています。いさかいやもめ事、服従させたり騙したり、いじめや戦争など、自分ファーストが流行っているこのご時世に、人間として当たり前の事ながら、お互いに思いやる気持ちさえあれば、誰も傷つかずに豊かに暮らしていける、それこそが「萬歳」じゃないかと言うメッセージにさえ聞こえます。地唄で失ってしまっていた掛け合いを再現し、車人形で上演しました。地唄「萬歳」は、何度聞いても美しい曲です。遥か太古の昔より日本人の感性の中で受け継がれて来た「萬歳」の思いを元に、江戸時代に完成した名曲です。さらにそれを元に、琴、三味線、笛、鳴り物を入れ、聞く機会さえすっかり無くなってしまった地唄「萬歳」を、私達の身近な邦楽曲「新曲まんざい」として創作し蘇らせました。心から浮き浮きとさせられ、本当に目出度いなという気持ちにさせてくれる一曲です。

演目:車人形

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