避難先から帰られた方でも、十分にインフラが整備されていない場所で暮らす事は不便で危険が伴います。帰還者が少ない地域では、未だに泥棒が入り、野生動物が出没するとの事です。買い物ができる店も少なく、車で遠くまで買い出しに行かなくてはなりません。病院、介護施設なども十分とは言えません。一方、帰還を諦めて避難先で家を建てて新しい生活を始めた方もおられますが、避難解除と共に、今まであった賠償が打ち切られ、生活に困っている方も多いと伺います。
演目:水口囃子、寿獅子、そーらん節、南京玉すだれ、車人形
原発事故から7年半、福島第一原発事故による原子力緊急事態宣言は今も発令中です。原子炉からは毎時約9万ベクレルの放射能物質が空中に放出され、海にも流れ出ています。国や福島県が打ち出した2017年の大規模な避難解除は、原発問題がすっかり解決したからではありませんでした。避難解除とは、年間の放射線量が20ミリシーベルトを下回るという基準で行われるために、事故前の放射線量まで下がってない事に、不安を感じる人はたくさんおられます。逆に、年間20ミリシーベルトの被爆を住民の皆さんに押し付けているんじゃないかと、胸が痛みました。(日本の平均放射線量2.1ミリシーベルト)
演目:水口囃子、寿獅子、そーらん節、南京玉すだれ、車人形
原発事故で全村避難され、帰村され2年が過ぎました。志田村議は、「私達より、今の若い人達、その孫子までもがこの村で元気で暮らして行けるのか、皆さんに、ぜひそれを見届けて欲しい」と語ります。全品放射能チェックで異常なしの地元野菜を、一般店頭価格より安い値段での販売や、焼き鳥販売など、職が無いこの村で、どのように自立して営んでいけるのか日々奮闘しておられます。この日は、郡山仮設住宅時代に被災者支援を続けて来られた皆さん、こまの会の皆さんと一緒になって、川内村の皆さんに喜んで頂こうと一緒に伺いました。昨年は、「えっ、もう終わり?」と言われたので、今年は2時間演目で伺いました。
演目:寿獅子、南京玉すだれ、新曲まんざい、もちつき×2臼
明治34年開業、兵庫県最古の芝居小屋、出石(いずし)永楽館(えいらくかん)で、出石高校芸術鑑賞会がありました。最古といっても、昭和39年に一度閉館をして再度開業された歴史があります。「猿まわし」も然りです。機械化、技術革新、デジタル、グローバル化などにより、ほんの50年前を感じさせるものが無くなってしまいました。今だからこそ、残しておきたい風景、芸能、人のつながり、色、空気が見えてきたようにも思います。そこには儲かる儲からないでは推し量れない別の基準があるようです。ある意味、時代に抗う大人の姿を生徒の皆さんに見て頂いたような感じがしてなりません。先生、劇場職員の皆さん、そして生徒の皆さんが、「本当にいい機会になりました」と喜んでおられました。
演目:水口囃子、寿獅子、南京玉すだれ、猿まわし、サムルノリ
福島県郡山市の近くに三春町(まはるまち)があります。お盆は、公演ができませんので、それを利用して、盆踊りを見に行って来ました。趣のある街並みの中、櫓から盆踊りのお囃子が演奏されていました。大太鼓1つに締め太鼓が5つ。太鼓と笛の伴奏で唄います。最初は違和感のある演奏だなと思ったのですが、というのも、笛の音程と唄の音程がずれていると感じたからです。しばらく演奏を聞いていくうちに、逆だなと思いました。この微妙なずれがとてもいい、心地いい、懐かしさまで感じる、これが本来の日本人の感覚じゃないかと思うようになりました。そういえば、祭りの笛の演奏だって決して同じ音階じゃなかったのを思い出しました。子どもの頃より、学校や身近な音楽などは、ほとんど西洋音階なので、それに慣れて来てしまっていた自分を感じました。三春町の演奏に、何故かほっとした自分がありました。